公共サービスの在り方

菅新政権は郵政民営化を進めた小泉政権にどこか似ているらしい。それどころか、その実務能力は小泉政権の上を行くようで、その徹底ぶりは相当なものらしい。就任時は安倍路線の踏襲と言っていたが、官僚の生殺与奪も握っていることもあり、財務官僚を除き、官僚側も菅政権のやり方にはかなり神経をとがらせているようだ。

小泉竹中路線の代名詞と言えば構造改革。実際は橋本政権に端を発しているのだろうけど、政治音痴の自分としてはそれほど記憶になく、やはり郵政民営化をスローガンにまさに時の寵児となった小泉政権のインパクトはいまだに脳裏に焼き付いている。経済の仕組みなどまともに考えたことのなかった自分も、御多分に漏れず規制改革を進める小泉政権に拍手喝采を送ったものだ。

あれから30年余りになるが、経済はものの見事に成長の歩みを止められ、貧富の差も広がる一方。貧困層も広がり人口減に歯止めがかからずこのままでは発展途上国になり下がるのは時間の問題である。それに加え中小企業の淘汰を公然と進めようとしている菅政権誕生は、まさに日本経済にとどめを刺す可能性まである。

昨日郵便局で郵便通帳への届け印訂正の手続きをしてきた。窓口で担当してくれた男性は、地方独特の訛りも相まって、非常に親切に対応してくれた。その癒しぶりは都会では中々味わえないものだった。公務員にまで過度な生産性を求める昨今のトレンドを再考する時が来ているのではないだろうか。