家族

緊急事態宣言発令以来、家族含めてまともに人に会っていない日々が続き、気が付けばもうすぐ3か月。50過ぎてやっと結婚できたものの、子供はおらず妻とも離れ離れ。このまま独りぼっちの生活が続くのだろうが、そのこと自体は自分で蒔いた種だから受け止めるしかない。一方、日本という家を大切にする国家に生を受けたにもかかわらず、子孫を残せず一生を終えるのは、日本に対して申し訳ないような、そんな気に苛まれる今日この頃。

そんなこと今迄考えたこともなかったのだが、これがある意味年を取るという事なのだろうか。そんな中、珍しく妻から昼間電話があった。経済的に厳しい我が家の家計のことが心配になったとのことだが、ここまで厳しければ落ち込む暇もないだろうと言って笑い返してあげた。そうそう、もう前を向いて真摯に生きるしかないのである。やはり、それが日本人の美徳というものであろう。

と、それから2時間も立たないうちにまた携帯が鳴った。声の主は義母だった。何やらお魚を送ってくれるそうで住所の再確認の電話だった。失礼覚悟だが、義母も決して経済的に裕福ではないのに、何かというと気を遣ってこんな感じで物を送ってくれる。その潔さというか誠実さには心底頭が下がる。娘を面倒見てくれていることに対する感謝の証なのだろう。親って、本当に有難いと思う。

気づけば、独りぼっちの自分が2人の家族と話ができた。血のつながりはないとは言え、家族とのつながりは心を豊かにしてくれる。家族が出来て本当に良かった。