silky6の日記

こんにちは。このブログは、silky6が日々の生活で気になったことを気ままに書き連ねています。

AIに取って代わられる脳

40代になって仕事量と責任が増えてからというものの、いかに脳と上手く付き合うかが仕事をこなす上で、一番のポイントだったような気がする。部長になりたての頃、重圧がのしかかる一方、部下は経験不足の若手が数名いるだけ。なんとか締め切りを守れるよう業務を切り盛りしていたが、不安に苛まれることばかり。睡眠の質も低下して精神的にかなり追い込まれていた。そんな時、本屋で手にしたのが都築さんという脳神経のお医者さんが書かれた脳についての本だった。

その本には、脳は基本的にさぼり屋、不安を見える化することの大切さ、他人にできることは他人に任せる大切さなど、目から鱗の話満載だった。お蔭で、肩の荷が降りて、精神的にとても救われた。その後も追い込まれ感が強くなる度に本棚から引っ張り出して夜中に読んだものだ。そして、何かあれば悪いのは自分でなく、脳のせいだ。そして、このさぼり魔の脳をどうしたら気持ちよく働かせることができるだろうかという発想で物事に対処するようにした。この、どこか他人事作戦に救われることは多かった。

今日のあるラジオ番組に、私の好きな脳科学者の中野信子さんが出演していた。将来の脳の話になった時に、AIと徐々に置き換えられ、いずれ脳は不要になるのではという話をされていた。彼女によれば、ホヤ貝は、海に浮かんで住むところを探しているころは脳を使っているが、岩に着いて、終の棲家を決めると、自分の脳を食べてしまうそうだ。重くてエネルギー消費も多い脳は、用済みとなれば真っ先に邪魔者扱いというわけだ。

それまでお世話になっていたのに、用済みとなればあっという間に処分されてしまうとは何とも気の毒な話だ。人間の脳も、同じようにコスパ悪いし、放っておけばさぼろうとするし問題児だが、それでも脳のお陰で危険を認識し、生き残れてきたわけだし。後1000年もすれば、人間には脳は備わっていないのかもしれない。取って代わったAIのお陰で物忘れもしない何不自由ない生活をしているのだろう。それはそれでかなり味気ない生き物になってしまって寂しい。?この発想も、中野信子さんが言っていた認知負荷による新しもの嫌いってやつか。脳、なんとも手間がかかって愛らしい。