Know me 会

スーツを着てなんとか会社勤めを開始出来たころには、齢３０を迎えていた自分にとって、３０代半ばまでは飲み会中心に生活が回っていた。飲み過ぎで目の回るような日々が続いたこともあるが、金銭感覚はしっかりしているので、身分不相応な高級店に入り浸って借金で首が回らないなんてことにはならずに済んだ。

あれから２０年。最近は飲み会に誘われることもなく、飲む機会がめっきり減った。同世代の友人は家族との時間を大切にする一方、自分も隙間時間があれば出来る限り読書や何かしらの勉強をしたいと思うので、必然的に一献交えようなんて声もかからなくなる。

それでも、たまには旧交温めようなんてことで同世代で集まることがある。酒量衰えず相変わらずの酒豪ぶりを発揮している者もいれば、自分のような最初のビールくらいで、あとはソフトドリンクで十分なんてやつもちらほら増えてきた。ただ、酒は入らずとも、気の置けない連中の集まりだから、話が尽きることは無く、それは若者と負けず劣らずのワイガヤぶりである。

ただ、話の中身はといえば、基本健康関連ばかり。やれ最近どこが悪い、友達がこんな病気した、健康にはこんな食べものがいい、こんな薬がお勧め等など。それが一段落すれば、子供の受験、就活、はたまた孫誕生みたいな話。そんな話をお酒も大して飲まずよく聞いてられるもんだ。若いころなら耐え切れないだろうに。ただ、考えてみれば、老いも若きも、酔っ払おうが素面だろうが、飲み会に臨むことは、自分の話を聞いてもらいたい。もっと自分を理解してほしい。まさにKnow me 会である。それでいて今日の話はこの場だけにしてねなんて言う輩もいる。知って欲しいのか忘れて欲しいのか。何はともあれ、それも仲間がいればこそ。感謝なのである。