自分を知りたくない男

ジェーン・スーさんの対談集を読んでいたら、またまた面白い話を見つけた。それは、ある男性の友人によれば、『男は、男同士で話すときはスポーツや音楽など趣味の話をするのが常だ。趣味の話をしている限りは、自分自身の話をしなくて済むからだ』とのこと。で、なぜ自分自信の話をしたくないのかといえば、基本的に自分自身を知りたくない。なぜなら、自分の掲げる理想像との大きなギャップに打ちひしがれるのが怖いのだ。豆腐メンタルの男には耐えられないとのこと。

私も確かにあまり自分の話をするほうではなく、それって自分が精神的に弱い証拠だと思っている。ただ、よく考えたら、大学生のころは、友人同士集まって、毎晩のように人生を語り、お互いの長所より短所をつつきあっていたような気がする。その時のモチベーションは、自分を知って欲しいだったと思う。そうなると、当時の自分は豆腐メンタルではなかったってこと？

女性は結婚や出産への外的圧力に悩まされるとはいうものの、男は男で、やれ強くあれとか、家族を食わせて一人前とか、それはそれでプレッシャー受けているよなぁと再認識した。かくいう自分も、典型的は昭和世代だから、こういったプレッシャー感じながら生きてきた。ワーカホリックなのはそういう背景もあるのだろう。

ただ、GG（グランドジェネレーションこと55歳）を間近に控え、そういった圧をあまり感じなくなってきたような気がする。もちろん、結婚できたお陰でどこか精神的に余裕ができたのかもしれない。一仕事終えたような。いやいや、結婚生活の修業は始まったばかりで、これからが本番。ただ、今迄のように目標に向かってストイックに生きるというよりは、一日一日生きれることにまず感謝し、楽しく昨日よりほんのちょっとの成長を感じることに至福の喜びを感じるような、そんな生き方を良しとするような、そんなシフトが自分の中に起こっている。そして、それが心底嬉しい。齢50代半ばともなると、価値観も変わってくるみたい。これから自分がどう変わるか、楽しみ。