silky6の日記

こんにちは。このブログは、silky6が日々の生活で気になったことを気ままに書き連ねています。

漆に救われた日本

ネットの番組で、漆にまつわる感動秘話を知った。そもそも、日本の特許第一号が

堀田瑞松さんという方が考案された、漆を使った防錆剤だという事実に驚かされた。漆と言えば、せいぜい漆器位しか知らないし、そもそも漆ってどんな植物なのかも頭に浮かばない。その程度の知識しか持ち合わせていない自分にとっては、漆が錆止め効果があるということ自体、驚愕の事実だった。

ところが、話はそれだけでは終わらない。日本が国の運命を賭けて戦った日露戦争。兵力比較すれば日本が圧倒的に不利であることが一目瞭然だったこの戦争において、薄氷の勝利を飾った内陸戦につづき、両国の雌雄を決することになった日本海海戦。戦艦数がロシアの1/3程度だった日本がロシアのバルチック艦隊を木端微塵に撃退できた要因の一つが、下瀬火薬の存在だった。

鉄に触れると強力な破壊力を発揮するこの火薬は頼もしい武器である反面、自軍の砲弾も鉄で出来ている以上、爆発を起こさずに自軍の砲弾にどう装着させるかが問題となった。そこで登場するのが防錆効果を持つ漆である。漆の防錆効果は、鉄のコーティングによるものである。よって砲弾の表面に漆を塗れば、下瀬火薬を鉄に触れさずして砲弾に装着することが出来るというわけだ。このアイデアは見事に的中し、敵の戦艦はあっという間に瓦礫と化したと、敵艦に乗船して戦局を見守ったアルゼンチン人がそのように書物に記したいたそうである。

日本を救ってくれた漆であるが、現在は殆ど中国製らしい。日本の産地はその多くは岩手県、そして2位が茨城県の太子町で、3位が我が地元栃木県の那珂川町とのこと。後継者も少なく絶滅の危機に瀕しているようだ。いつか漆掻きを学んでみたいと思った。それにしても、先代日本人の技術には心から尊敬する。恐るべしである。